前にも2、3度観に行った事があったけれど、ここのところ忙しく足が遠のいていた。今日は久しぶりのため、とても楽しみにしていた。しかも、歌舞伎座が改装してから初の歌舞伎鑑賞!
知人にとっては初めての歌舞伎。
いつもは幕見席だったけれど、今回は歌舞伎初体験の知人と一緒のため、確実に席を確保するために事前に予約をしておいた。席は3階B席。
何度も繰り返し通いたいなら「お財布事情」を考えて、「幕見席」や「3階B席」で充分!
ちなみにチケットの値段は以下の通り。
- 1等席=1,8000円
- 2等席=1,4000円
- 3階A席=6,000円
- 3階B席=4,000円
- 1階桟敷席=20,000円
- 幕見席=1,000円〜2,000円
さて、5月の歌舞伎の演目は「團菊祭五月大歌舞伎」。

昼の部は「 合邦摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)合邦庵室の場」・「通し狂言天一坊大岡政談(てんいちぼうおおおかせいだん)」
夜の部は「慶安太平記(けいあんたいへいき)丸橋忠弥」・「歌舞伎十八番の内 蛇柳(じゃやなぎ)」・「神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)め組の喧嘩 品川島崎楼よ神明末社裏まで」
私達は夜の部を観劇。
特にファンではないけれど、やはり海老蔵が出演するとなると「華」があり、ついつい観たくなる。 そして、菊五郎もやはり「華」がある。。。なんて偉そうに書いているけれど、「超」が付くほど私は歌舞伎初心者。。。
そういえば、ネットでチケットを予約すると、チケット引き換えは当日の上演前までで、かなり時間に余裕がある。仕事で忙しい人にはいいかも。私も当日に引き換えた。そして、チケットは購入した時のクレジットカードを機械に挿入するとスムーズに出てくる。

⇇これが、そのチケット引き換え機。
チケット引き換え機は、歌舞伎座の正面出入り口の脇にある(外)。
さて、「慶安太平記(けいあんたいへいき)丸橋忠弥」は実際に江戸時代にあった「江戸幕府を転覆させる計画の事件」を元にした演目。
徳川四代将軍家綱の時代、軍学者の由比正雪が首謀者となり、駿府城を乗っ取る計画に丸橋忠弥がのり、最後は密告者により計画がバレて捉えられてしまうまでの舞台。
大立ち回りといって、忠弥が幕府側の人間と刀を振り回わすシーンがある。
ここは見所の1つなのだけど、びっくりするのがバッタバッタと相手を斬るのではなく、優雅に、ゆっくりとしたリズムで展開される。
以前、観劇したときの解説だと「これが当時の捕り物シーンの様式美」とのことで、その意外性にびっくりしたのを覚えてる。
今回の解説で興味深かったのは、当時、本当にあったこのような事件を取り扱う歌舞伎で、「本気モード」の大立ち回りだと、お上から「けしからん!」という事で「上演禁止」になり兼ねなかったとの事。
そのため「これは単なる踊りのシーンですよ」と大立ち回りのシーンをゆっくりにする事で、上演禁止を免れてきたようだ。
「なるほど~。 そういう理由があるのなら本当に腑に落ちる。」 いくら「様式美」といっても「迫力が無いんじゃないの?」「当時の江戸っ子はこれで満足してたのかな?」なんて思っていたからだ。
更に、この大立ち回りのシーンは良く考えられたもので、ゆっくりだけれど、グイグイと観るものを引き寄せる発想豊かなアイデアが満載で、思わず拍手したくなる。また、「屋号」を叫ぶ人たちも増えていった。
そういえば隣の席の外国人もエキサイトしていた(笑)
「歌舞伎十八番の内 蛇柳(じゃやなぎ)」の演目にある「蛇柳」というのは高野山に以前あった柳の木のことで、弘法大師空海が法力を以って蛇を柳の木に変えたという逸話を元にした演目。
パンフレットを読むと、高野山には「蛇柳の供養塔」が今でもあるらしく、写真に載っていた。この演目は海老蔵の早変わりも見物。また、さすが見栄を切るのも様になっていて、さすが、市川家のお家芸!
この演目は舞台に「お囃子連中」がずらっと居並び、三味線や太鼓、小堤、笛などを演奏し、それらをバックに話しが展開され、かなり華やかだった。
「神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)め組の喧嘩 品川島崎楼よ神明末社裏まで。」も本当にあった、「力士」と「鳶」の喧嘩を元にした演目。
これは、「え?こんな理由で喧嘩するの?」とびっくりな内容だったけれど、解説によると「力士」も「鳶」も、どちらも「男を売る仕事」そのため、一度売られた喧嘩は、買ったらしい。。。

とにかく、どの演目もだけど、当時の時代背景や、考え方、庶民の暮らしの一部などが垣間見れて本当に面白い。言葉使いも。。。
まだ歌舞伎を観た事が無い方は是非一度、観劇するといいと思う。
イヤホンガイドは必須! 細かいことまで説明してくれるので、理解が深まる。

不満があるとすれば、改装してもやはり席と席の間の狭さは変わらないのね。。。というところ。外国の方は辛いと思う。とにかく隙間無し(笑)