ず~っと前から、「家にある着物を整理しないと。。。」と思っていて、やっとこの年末に一気に整理した。
私個人のもだけではなく、父の着物、母の着物、妹の着物を含めての整理。
自分の着物以外は、どんな着物や小物があるか今までほとんど把握していなかったので、全てを写真に収めたり、頂いた着物に関しては誰から頂いた着物なのかをメモしたり、着物や小物の痛みの状態を調べたり。。。という具合。
そんな中、よ~く言われる話しだけど、振袖を見た瞬間「あ~もう着れない。。。もっともっと着ておけば良かった。なんであの時に振袖を着なかったんだろう。。。」という後悔という名の波がジワジワと押し寄せてきた。
もともと振袖はそんなに着る機会が多いものでは無いけれど。。。
「成人式」や「結婚式」以外で振袖を着る機会といえば「新年の初詣」。
そのせっかく着る機会である「初詣」も、そもそも「初詣」に行かなかったり、行ったとしても「振袖は準備がかかる」と思い、その準備を考えただけで面倒になって1回しか着なかった。。。
最近は振袖で初詣する姿もあまり見ないけれど。。。
また、友人の結婚式には着たけれど、それでもほとんどが洋装での出席だった。
そういえば、面白いエピソードがある。
新婦側から「頼まれて振袖を着た」という事があった。
なぜ頼まれたかというと「着物姿がいると場が華やぐから」という事。
なるほど~。
友人と2人で振袖を着て同じテーブルに着いたら、確かに華やかで、式が終わった後に、新婦から「ありがとう!」と言われた思い出がある。
振袖を着る時期、場面には限りがある。
だからこそ、着れるうちは本当に「綺麗」に着こなしたいと思う。
例えば「成人式」。
ほとんどの人が「成人式」を写真やビデオで撮影して一生の思い出にする。
ここ最近はド派手な着こなしが目立つ。。。
「個人の自由」という事なんだと思う。
でも、やはり個人的には「仮装」のような感じではなく、振袖をきちんと着こなして欲しいしと思う。
振袖を作ってくれた職人さんのためにも。
一時の流行などに流されず、「成人式」の写真を何十年後に見た時、「綺麗に着ておけば良かった」と後悔しないように。。。
ちなみに上の白地の振袖は私の。下は妹の振袖。
私も妹も自分の振袖をとても気に入ってる。
そこで、「これからもこの振袖を工夫してどうにか着たい!」と思い、「訪問着」に作り直そうと思ったけれど、当時、着付けを習ってた師匠からは「勿体ない!古典的な柄で『ザ・振袖』って感じだから、訪問着に変えないほうがいいわよ。思い出として持っておき、親戚に貸したり等して出番を待ったほうがいいと思う。」と言われ、私も納得して振袖として今、大事にしまっている。
着物はTPOなど、ルールが色々とあり、面倒で嫌いという人がいるけれど、そのTPO、その他のルールの中でどうお洒落に着こなすかが楽しくもあり、センスなんだと思う。。。
着物は「色」「柄」「季節」「相手の立場」「自分の立場」「場面」「素材」等で、着るものを選ぶ。
その縛りが窮屈だと私も以前思っていた時期がある。
でも、「着物」の魅力を知った今、制限がある中でどう着こなそうか。。。と考えるのは案外と楽しもの。
例えば「色」ひとつとってみても、「真っ赤」な着物は本当に若い人だけの特権!
「その時」しか着れない着物は、「その時」にどんどん着て後悔しないようにして欲しいと思う。
着物を整理し、振袖を目の前にそんな事をしみじみと思った。