アレックス・カー著「ニッポン景観論」日本人は読むべき!

アレックス・カー著書の「ニッポン景観論」を読み終えた。(写真がピンぼけ)

この本には私が10年以上前からずっと疑問、懸念を抱いていた「景観」の事が本当に分り易く書かれている。

しかも、オールカラーで「景観を損ねている異様な現状」を写真を多用して訴えてくる。

この本を読んでいる間、アレックス・カー氏の指摘にいちいち「そうそう、私もそう思ってた!」と相づちを打たずにはいられなかった。

この本には「本当の意味での観光立国」を日本がこれから目指すためのヒントが多く書かれている。

いや、私個人としては「景観」を考えた時に、何も外国の方だけに感動してもらう事を目的とするのではなく、むしろ我々日本人自身が、自分達の手で自分達の住んでいる国・地域を大切に思う事が大事で、そこから自然発生的に起こる「景観を綺麗に保ちたい」などの意識改革、行動が結果として外国の方々にも「日本に来て良かった! また来たい!」と思ってくれる。。。という方が自然だと思う。

アレックス・カー氏は、著書でその町の風土や、景観に合わない、建築物に鋭く言及している。 

例えば。。。

  • 「モダン」「前衛的」「未来的」と形容詞をつければ何とでも言えるが、問題は「景観を損ねた」建築家の「賞だけ」を意識したであろう建物が突如として現れる滑稽さ。またそれを受賞させる背景。(コンペ等で選ばれるため「賞」を意識するのがおかしいのでは無く、あまりににも周りの雰囲気、その土地の風土を無視した建築の事。)
  • その土地、その土地に合った形での行政の在り方があるはずなのに、「予算」をもらうための無駄な建築が建てられる背景。
  • 観光地での、「立ち入り禁止」「○○を触ってはダメです」「写真はダメです」「○○はダメです」等の看板のオンパレードで、それそのものが景観を損ねている現状。 海外ではそういう看板は殆どなくても、景観が保たれている事実。
  • 土砂崩れ防止とは言え、山肌にコンクリートが覆っている現状。

そして皮肉を込めて、日本人がよく行く海外の観光地に対して、もし日本人的センスでこの観光地を変えるとしたら、こうなるはず。。。というCG作成によるシュミレーション画像も幾つか載っていて興味深い。

とにかく、本に載っている写真を見たら明らかに異常だ。。。

アレックス・カー氏は「日本は観光立国を目指す!」と政府が言うのであれば、「英語で標識などを作る」「日本人がより英語を話すようにする」「便利さアピールする」という事だけでなく、本当は「景観」そのものを見直して行かないと意味が無いとバッサリ。

私もそれが真の「おもてなし」の1つだと思う。

本にはある面白いエピソードが紹介されていた。

インドからの旅行者が京都に夜遅く着き、次の日の朝、アレックス・カー氏に言った一言が「日本はインドに似てるんですね」。

これは夜には気がつかなかったけれど、朝起きたら電線が多く張り巡らされている状況がインドに似ていると言う事だったらしい。

この「電線」については前から国内でも指摘されてきているので、徐々に地中に埋めるという事になっており、実際に進められている。

私もアレックス・カー氏と同じように「景観」の汚さがずっと気になっていた。

毎日電車に乗り、車窓から外を眺める時に色々と気づいたり、美術館等に行って気づいたりして「景観について疑問を持つようになった。。。

  • 「マンションがアッチに向いたり、コッチに向いたりしてバラバラで汚い。」
  • 「看板って、ありすぎると汚い」
  • 「町の雰囲気に合ってない、そびえ立つビルがあまりにも景観を損ねてると思うけど。。。」
  • 「どこに行っても同じ雰囲気」
  • 「土砂崩れ防止っていっても、コンクリートうちっぱなしで本当に大丈夫? 何か見た目に無機質だけど。。。」
  • 「海外の美術館や観光地では「注意書き看板」はあまり無いのに、日本は異常にある。。。こんな物が無いとマナー守れなくなったのか?」

と。。。

「どこに行っても同じ雰囲気」についてだけど、つい先日も新宿に行き、西武新宿線の駅からアルタ側に向かうと「ここは秋葉原?」と思ってしまうくらいの雰囲気だった。もちろん電気屋の数は秋葉原には及ばないけど、違和感を感じた。また、同じ新宿の別エリアでは以前よりも「店からの騒音」が大き過ぎてうるさい。。。 「汚くなった印象」。

そして、どこにいっても本当に日本らしさが無く、新宿、渋谷、池袋。。。など「違い」が無くなってきた。

もちろん、それなりに違うけれど「大した差」は無い。

「日本らしさ」を出さないまでも、どこも無機質なビルがバラバラの向きで建ち、看板等が原色使いだったり、電飾がついたりとグロテスクなまでにゴチャゴチャとし、本当に景観を損ねてる!

段々と、どこの街も同化してきてる。

「ここのエリアは近未来的」「秋葉原は電気街にアニメにオタク文化」「日本橋はちょっと江戸チック」「銀座は高級感」というように、もっとハッキリとさせた方が良いと思う。

銀座もまた開発が進んでいるけれど。。。「柳」をもっと多くしたらいいのでは?

新宿も前みたいに個性豊かな飲み屋さんが無くなった。。。チェーン店ばかりが目立つ。あと風俗店も前より多い、というかより全面に出てきている感じがとてもする。今は無い、前によく行っていた居酒屋さんの周りにもそういう店ばかりになり、残念で仕様がない。 なぜ、そういう店ばかり多くなったの?

また、良い意味でのアングラ感が無くなったと思うのは私だけ?
ただひたすらチェーン店、風俗店、ゴチャゴチャという感じの新宿。

確かにゴールデン街は外国の方には人気だけど、これくらいしか「新宿」と他のエリアの違いを語れるものはあまりない。

私は観光立国を目指すなら本当の「おもてなし」は、もう少し「日本らしさ」が感じられる佇まいある景観を作るべきでは無いか? と考えてる。

せめて「日本橋」はそういう雰囲気にもう少しなるといい。
「お江戸、日本橋」という事で、「江戸文化」をもっと「見える化」して雰囲気作りをしたら受けるのでは無いかと思う。

「地方」に於いても、もし土地開発をするのなら、その土地、その土地の雰囲気を壊さないように、土地の伝統・歴史・文化からイメージを膨らまし、それをヒントにして「景観を損なわないように」して欲しいと思う。

とにかく、是非是非、この本を読み、「景観」というものを意識してみて欲しい。



アレックス・カー氏がわかるサイト

一緒に拉致問題・特定失踪者について考えよう!
愛する人が突然居なくなったらどうしますか? 自分の事のように考えてみてください。
救う会のHP
特定失踪者調査会のHP

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